桂望実の『死日記』!
初めての作家さんで、デビュー作だそうです!!
14歳の田口潤は、実の父親の死後、母親と母親の恋人になった加瀬という男と同居生活をすることに…
実の父親も母親に暴力をふるう男だったが、加瀬も仕事もせずに気分次第で母親に暴力をふるう…
そんな加瀬に盲目的に尽くす母親…
そんな関係を理解できない潤は、日々の出来事を日記に残していく…
そんな中、事件は起きて…
潤の残した日記が明らかにしていく真実とは…
…
最後の最後に大どんでん返しがあるのかと思っていたのに、そのままの悲しい結末にやり切れなさを感じました。。。
潤にはお互いを本気で思いやることの出来る大親友がいて、その両親も潤にとても良くしてくれて、自分の将来を真剣に考えてくれる担任の先生がいて、お金がなくて新しいノートを買うことが出来ない潤の為に、まだ使えるのにゴミに出されたノートを提供してくれるような用務員の男性がいて、潤のことを大切にしてくれる新聞配達のバイト先の専売所のおじさんもいて…
本当に周りの人間に恵まれていたのに、どうして親にはこんなにも恵まれなかったんだろう…
子供である潤が、何があっても母親を愛して、信じていたにも関わらず…
母親も自分の母親に恵まれなかった…
でも、潤なら負の連鎖を断ち切ることが出来る人間だったと思うのに、本当に辛い最後…
あとちょっとだったのに…
本当にやり切れない…