これからはゆっくり。。。

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『奔流の海』

伊岡瞬の『奔流の海』!

1968年、100年に1度とも言われるほどの豪雨をもたらした台風が静岡県千里見町に近づき、有村夫婦は小さな赤ん坊を連れて避難を始めるが、避難の途中で赤ん坊が他の女性の手に渡ってしまい、そのまま行方不明になってしまう!

それから20年後…

千里見町にあり、今は休業中の「清風館」という旅館の母と娘(千遥)の前に坂井裕二という大学生が現れる!

どこか謎めいた裕二に惹きつけられる千遥…

裕二の謎とは?

20年前に千里見町で起こった豪雨の中での赤ちゃん不明事件と裕二との繋がりは?

裕二はいったい誰なのか?

題名通り、海に飲み込まれるような人生を送った裕二…

子供の頃の関係性の薄い母親、お金の為に何度も何度も車の前に裕二を突き飛ばす父親のくだりは読んでいて辛かった💧

そんな幼少期を過ごしたにも関わらず、真っ直ぐ、賢く、穏やかな青年に育った裕二は、ちっとも臆病者でも卑怯者でもなく、よくそのセリフを裕二に投げつけた裕二と似た境遇の矢木沢が、実は1番裕二のことを買っていたんじゃないかなぁ?

壮大な物語の割には、結構サラッと事が進んでいくのが???でしたが、ラストは心温まるハッピーエンドで本当に良かったです♪