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『逮捕されるまで』

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市橋達也の『逮捕されるまで 空白の2年7ヶ月の記録』!

先日読んだ、吉田修一の『怒り』の真犯人の逃亡方法がこの市橋達也の逃亡方法にとても似ているように感じ、こちらの本も読んでみる事にしました!

イギリス人女性のリンゼンさんを殺害して、自宅に訪ねてきた警察官を振り切って2年7ヶ月もの間、逃亡生活を続けた市橋達也

題名通りシンプルに、その2年7ヶ月の逮捕されるまでの市橋達也の生活(と呼べるものなのかは???ですが…)を淡々と綴っています!

読んでみて感じた事は、、、

自分の生い立ちの言い訳などは一切なく、ホント、淡々と…

父親が医師で母親が歯科医、高身長になかなかのルックス、そして運動神経もかなりのもので、ぱっと見、かなり恵まれた人間のようにも見えますが、彼は彼なりに何か思うところもあったはず、、、

でも淡々と…

逃亡中、時々、被害者のリンゼンさんの事を思い出したり、可哀想な事をしてしまった、彼女にはこれからも楽しい明るい未来があったはず…と思いを馳せますが、それでも何日も何日も歩き続けで野宿を繰り返したり、無人島に泳いで渡ったり、人間扱いされないような過酷な労働をしたり、ほとんど腐ったような残飯を漁ったりしながらも逃げる事を選んだ市橋達也、、、

こんな生活をするくらいなら、早く警察に出頭して裁判を受けて刑罰を受けた方が、身体も心もどんなに楽だろうか…と思ってしまいます!

事件の背景とか市橋達也の心の闇とか反省とか…ほとんど分からずじまいでしたが、ある意味、とても賢くてタフで「生」を感じる市橋達也がよく分かる1冊でした!