〜これは、人ひとりを殺したら死刑になる世界の物語である〜
「見ざる、書かざる、言わざる」
被害者のデザイナーは、何者かに薬品を嗅がされて気を失っている隙に、10本の指を切り落とされ、両目を潰され、舌を切られた…
物を掴むことも出来ず、物を見ることも出来ず、話す事も出来ない…
もしかしたら死ぬより酷い仕打ちにあいながら、どの行為も致命傷にはならず、犯人は殺人=死刑とはならない…
「籠の中の鳥たち」
サークル仲間の男女6人、オフシーズンの別荘地で1人が過剰防衛で人を殺してしまう…
死体を始末する前に地震で別荘地が孤絶してしまう中、夜中に仲間のうちの1人が刺殺され、次の日の夜中にも1人が硫化水素で殺されてしまう…
犯人は僕達の中にいる…
「レミングの群れ」
いじめを苦に、中学生が自殺してしまう…
いじめ加害者が殺したも同然…と、加害者、加害者の母親、見て見ぬふりをしていた担任が次々と殺される…
さらに、加害者の名前を遺書に残して自殺するいじめ被害者が出始めて、加害者は殺されて同然との風潮が広まる…
自分の子供がいじめ被害を受けていた男は義父と時々会って、その件で色々な意見を出し合うが…
「猫は忘れない」
ストーカーの末、姉を殺した男に復讐するために念入りな作戦を立て、自殺に見せかけて殺そうと企むも、猫の存在が…
そして姉を殺した犯人は…
「紙の梟」
ある日、恋人が殺された…
犯人はすぐに逮捕されるが、次々と恋人の秘密が明らかになっていく…
恋人は偽名を使い、過去には男性からお金を騙し取り、自殺にまで追いやっていた…
彼女は僕を愛していたのか?
騙していたのか?
彼女を殺した犯人に死刑を望むのか?
犯人に反省の機会を与えた方が良いのか?
…
5話の短編集ですが、どの話もずっしり重かったです。。。
どんな理由があっても、人1人殺したら死刑…という、分かりやすいと言えば分かりやすいけど、殺人とひと言に言っても、怨恨もあれば交通事故、正当防衛、過剰防衛、無差別殺人、ちょっとした喧嘩で打ち所が悪くて相手が死んでしまう…などなど、色々な状況がある中で、あまりにも極論過ぎて、ま〜、問題山積な感じです。。。
しかも、1話目の「見ざる、書かざる、言わざる」のように、死ぬよりもこの先、生きていくほうが余程辛いくらいの目にあっても、殺されてないから死刑を回避出来る…って、納得いかないし…
以前もこのブログに書いたことがありますが、私は死刑に賛成でも反対でもないし、どちらの意見にも頷ける部分があると思いますが、とにかくとても難しい問題で、簡単にあれこれ言えないなぁ、、、と言うのが正直なところです💧
…
さて、この本で多分今年は読み納め!
元々、本をほとんど読まない人生を送ってきた私が、友達に図書館に連れて行ってもらったのをきっかけに少しずつ読書をするようになり、ここ数年、年間50冊くらい読むようになり、今年の目標を100冊として時間があれば本を読むようにして、数えてみたらなんとっ、108冊!!!
元々好きだったイヤミス作品を中心に、「はてなブログ」のブロガーさんの紹介してくださる本の中から興味のある本を読んでみて、新しい作品、作家さんを知ったり、新しい世界を見せて頂いた感じです♪
あっ、今の流行りで言えば、新しい景色?かな(^◇^;)
他にも読みたい本、興味のある作家さんも増えてきましたが、図書館の予約上限にいつもいっぱいいっぱいで、なかなか💦💦💦
それでも、来年もたくさんの作品に出会いたいと思っています!