凪良ゆうの『流浪の月』!
9歳の時に父が死に、その後、母が失踪…
叔母の家に引き取られた更紗はその家の息子から毎晩のように性的虐待を受ける…
もう叔母の家には帰りたくない…
そんな時、友達の間で「ロリコン」と噂されていた文(ふみ)と出会い、文の家に転がり込む…
文は優しいし自分に手を出さないが、世間は「少女が失踪」と騒ぎ出し、油断して遊びに出た動物園で遂に見つかってしまい、文との関係をうまく説明出来ず、結局、ロリコン男が9歳の少女を誘拐した事件となってしまう…
「私は被害者じゃない!!!」という声は誰にも届かず…
そして15年後、加害者とされてしまった文と被害者とされてしまった更紗は再会してしまい…
私達は親子でも夫婦でも恋人でも友達でもなく、言葉に出来るような分かりやすい繋がりはなく、それでもそばにいたい…
もう私達はひとりではない…
…
相変わらず上手く内容を紹介出来ませんが、とにかく良かったです!
後半、何度か泣けてきました。。。
切なくて哀しくてやるせなくて優しい物語…
逆に、「普通」を押し付けることの怖さ、この時代、インターネット上に書き込まれたことは1度拡散してしまうと簡単に消すことが出来ず、半永久的に残ってしまうデジタルタトゥーの怖さ、善意の怖さをとても感じました!
最後は、傷を抱えた文と更紗が寄り添いながら前向きに歩き出しているので、少しだけ救われました…