吉田修一の『犯罪小説集』!
実際に起きた事件をモチーフにした5編の短編集です!
「青田Y字路」
少女失踪事件の犯人と疑われた豪士…
数年後、同じ場所でまた少女が失踪し、追い詰められた豪士は焼身自殺をしてしまう…
でも、豪士にはアリバイがあった…
「曼珠姫午睡」
幼い頃、毛嫌いしていた同級生のゆう子が殺人の容疑で逮捕される…
そのニュースを見て情報を集めた英里子はこれまでのゆう子の人生を辿っていく…
「百家楽餓鬼」
運送会社の御曹司で何不自由ない人生を送ってきた永尾がマカオのカジノに嵌り、破産寸前のところまで落ちる…
「万屋善次郎」
限界集落の中で最も若い善次郎が、村のために村おこしを発案するが、ちょっとした行き違いで村八分ならぬ村十分になった果てに、村人を次々と殺害し、自らも自殺をはかる…
「白球白蛇伝」
記者の山之内が、野球の世界で一度は頂点に立った早崎の人生を追う…
…
5話の中で「万屋善次郎」の事件はよく覚えています!
以前、この事件を小説にした高橋ユキ著の「つけびの村」も読みました!
ほんのちょっとのボタンの掛け違えで、ここまで酷い事件が起こるとは…
都会ではなかなか想像できない、限界集落だからこそ、こじれてしまった人間関係が更にこじれてしまい、最後には取り返しのつかない事になってしまう…
5話とも、歯車が狂い出した人生を描いていますが、踏みとどまったり、踏みとどまることが出来ず底の底まで落ちてしまったり…
ちょっと怖い話でした。。。