米澤穂信の『リカーシブル』!
父が犯罪を犯し失踪し、継母とその連れ子サトルと一緒に継母の故郷に引っ越してきた中1のハルカ…
サトルは急に予知能力を発揮し出し、ハルカはこの土地にまつわる「タマナヒメ」の伝説が実現することを知る!
その伝説はこの町の高速道路誘致運動と深く関わっていて、その秘密に触れようとするヨソモノの中学教師は命を狙われる…
いつも穏やかで優しい継母や町の大人達、友達になれそうだったクラスメイトのリンカ達の思惑に気付いた時、ハルカは…
そしてサトルは…
…
米澤穂信作品、これまでも何冊か読みましたが、登場人物みんな、頭が良すぎ!
この話のハルカも中学1年生にして自分の立場を冷静かつ客観的に見る事が出来るし、洞察力も推理力も行動力も凄すぎて現実味が薄いっ!!!
それにしても、いつも優しい継母がかなり恐ろしいです。。。
離婚届が届くや否や、ハルカに「中学を出るまでは面倒を見る…」とか、「学費もかかるしお米もただじゃないから…」と遠回しに生活費を要求したり…
いっそのこと、「家族じゃないんだから今すぐ出て行けっ!」って言われた方が清々しいくらい💧
実子であるサトルをも町に売るような形になり、切ない。。。
血の繋がりはなくても、お互い「バカ!」と言い合っている姉弟は、実はとてもお互いを思い合っている事が分かるのが救い!
最後の場面、ハルカの背中で穏やかな寝息を立てているサトルが目覚めたら、どんな未来が待っているんだろう、、、