芦沢央の『貘の耳たぶ』!
新生児の取り違えがテーマの映画や本にはいくつか接してきましたが、母親が自ら自分の子と人の子を入れ替えるなんて初めてで何と言ったら良いか…
妊娠中や出産直後に母親が精神的に不安定になってしまう事はよくある事で、しかも子供を入れ替えた繭子は帝王切開を「きちんと産んであげられなかった…」と恥じていたり、旦那さんのちょっとした無神経(とも言えないけど…)な対応、自分の母親の事などで色々追い詰められていたんだろうけど、そんなの全く言い訳にならないっ!!!
しかも、義母は凄く繭子の事を大事にしているし、帝王切開にも理解があるし、そんなに恵まれていない環境ではないと思うけど。。。
子供を入れ替えられてしまった郁絵はとても明るい女性で、保育士という職業柄、育児も順調にこなしていたけれど…
郁絵に悪意や他意がなかったとしても、精神的に病みかけている繭子に「(帝王切開になってしまって)残念だったね。」…のひと言を言わなければ、この事件は起きなかったかもしれない!
そう考えると、自分のひと言ひと言が相手にどう受け止められるか?相手がどんな気持ちになるのか?、凄く怖く感じました!
最終的に子供を交換するのか?交換しないで今まで育ててきた子供をそのまま育てるのか?、全く先が読めませんでしたが、結果、これで良かった…と思いたいです。。。
あ〜良かった、ハッピーエンドだ…
…で終わった訳ではありませんが、郁絵ならこれから幾度となくやってくる子育てや家庭のあり方の壁を、乗り越えていける…と信じたいです!!!