これからはゆっくり。。。

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『空白の叫び 上・中・下』

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貫井徳郎の『空白の叫び』!

上・中・下巻の長編作品です!!

上巻は、性格も生い立ちもまったく異なる3人の14歳の少年(葛城・久藤・神原)が、心の闇を抱えていたり家庭環境の影響などもあり、殺人に至るまでの話し・・・

中巻は、その3人が少年院での厳しい環境の中、出会い・・・

下巻は、少年院を退院した後も決して殺人犯を許してくれない世間の中で、3人は再び出会い、更生とは真逆の銀行強盗という犯罪に手を染めていき・・・

その中で、自分に向けられる悪意との闘い、運命、そして償いとは・・・

・・・

はぁ~、重い作品でした。。。

この物語は少年犯罪をテーマにしていますが、少年法改正前(刑事罰対象は16歳以上)の話しで、現在は“おおむね12歳以上”となっているので、現在だったら少年院ではなく少年刑務所に入ることになったはず!

刑務所は罪を償う場で、少年院は少年が更正する場・・・ということで、“自分は殺人という許されない犯罪の罪を償っていない”・・・と悩む葛城もいれば、“全て周りの人間の責任で自分は悪くない”・・・と開き直る神原・・・

3人の少年は親友でもなく信頼もし合っていないのに手を組み、破滅へと向かってしまう!

神原はお金を手にしてすぐに奪われ、交通事故で死んでしまいますが、自首した久藤、少し人間らしい心が生まれ始めた(多分、最初からそういう心を持っていたけれど、どこかで押し殺していた?)葛城の、大人になった姿を是非、続編として描いてもらいたいです!